銀河鉄道の父

直木賞の受賞作が発表になりました。
門井慶喜の「銀河鉄道の父」です。
こちら >> 銀河鉄道の父 [ 門井 慶喜 ]
直木賞の受賞作は、多くが映画化やドラマ化されるので特に注目を浴びるのですが、その通り、いかにも映画になりそうなタイトルの作品です。
このタイトルからは、誰もが「銀河鉄道の夜」を思い浮かべると思いますが、この作品に描かれているのは、その「銀河鉄道の夜」の作者・宮沢賢治の話です。
しかも描かれているのは、お父さんである政次郎の視点から見た宮沢賢治の姿なのです。

宮沢賢治の父・政次郎は、岩手県の花巻市で質屋を営んでいました。
当時は、かなり裕福であったと思われる宮沢家で、どちらかというと賢治は溺愛されて育ったようです。
賢治は家業は継がずに、実家の財力に頼りながら勉学を続けました。
父・政次郎はビジネスの能力に長けていた人なので、賢治がそのように大人になる姿を見て「何故、ここまで出来ないのか」という葛藤があったということが、この作品に描かれています。
そして、生前に名声を得ることがなかった宮沢賢治が思っていたことは、「自分はお父さんになりたかったのだ」ということなのだそうです。
いつの時代も普遍的な暖かい親子の話がここにはあります。